B1-04 教育工学
マルチメディアプロジェクト「カブトガニ」で活用するソフトウェアの評価
−コンピュータを活用した「総合的な学習の時間」の実践に生かすために−

笠岡市立金浦小学校 教諭   高 橋 伸 明
   
研究の概要
   マルチメディアプロジェクト「カブトガニ」の学習に活用する自作教材の評価と,児童が自作教材や取材したマルチメディア素材を使ってまとめるために使用する表現型ソフトの評価を行った。その結果,児童が学習の見通しをもつために有効な教材や,児童一人一人の達成感・成就感の醸成に寄与できる表現型ソフトを見付けることができ,「総合的な学習の時間」の実践に見通しをもつことができた。コンピュータを効果的に活用する学習を展開するために必要な点を提案する。

キーワード  マルチメディアプロジェクト,マルチメディア教材,表現型ソフト,ソフトウェア評価

T はじめに
   本校では平成7年度より,郷土教材であるカブトガニに焦点を当てた学習を,環境教育に位置付けて実践している。本年度は,この実践を総合的な学習の時間で実践可能な「プロジェクト学習」としてとらえ直し,その計画・準備を進めてきた。その過程で,以下の点を改善していく必要性が浮かび上がってきた。
 
メディアの特性を生かしながら,自分の調べたこ とを相手に分かりやすく伝えようとする能力が, 児童全般に育っていないこと
学習展開の導入時に,児童が目標や見通しをもつ ために活用できるような資料が不足していること
カブトガニの生態や保護活動について,分かりやすくとらえられる視聴覚教材が不足していること

 また,情報化社会を生き抜く力である「情報活用能力」を育てることは,「総合的な学習の時間」の実践においても重要な目標の一つと考える。そして,学習の中で児童がコンピュータ等の情報機器を道具として活用することは,すべての学校で求められている学習方法である。
 本校の教育課題や情報教育に求められる教育内容等を踏まえて,本研究に取り組んだ。
 具体的な研究内容は次のとおりである。
 
カブトガニに焦点を当てたプロジェクト学習をマルチメディアプロジェクト「カブトガニ」(以下「カブトガニプロジェクト」と言う。)として,児童のメディアリテラシーとプレゼンテーション能力の育成に重点を置いた単元を構想した。
マルチメディア教材「カブトガニ」(以下「自作カブトガニ教材」と言う。)の開発と評価を通して,教師が開発する際に使うソフトウェア(以下「ソフト」と言う。)と出来上がった教材の考察を行った。そして,児童が活用するマルチメディア教材の在り方を探った。
表現型ソフトの試用と評価を通して,マルチメディアプロジェクトで児童が表現活動の際に使用するソフトの在り方について考察した。そして,コンピュータ等の情報機器を道具として活用する学習の在り方を探った。

 なお,本研究で取り組んだマルチメディア教材の開発を,「本来,教師が行うべきものである。」というとらえ方をしているわけではない。岡山県教育センター内のマルチメディアライブラリに登録されている,「自作マルチメディア教材」や市販の教材等の中に学習展開へ生かせるものがあれば,当然それらを活用すべきであると考える。

U 研究の目的
   カブトガニプロジェクトで活用する自作教材の評価と,児童が学習の中でマルチメディア素材を使ってまとめるために使用する表現型ソフトの評価を行い,その在り方について考察する。

V 研究の計画
 
マルチメディアプロジェクトの単元構想
 第4学年社会科「守れカブトガニ」〜カブトガニを保護する人々の役割〜を中心に据えた,各教科等を関連付けた学習の単元構想を基に,児童のメディアリテラシーとプレゼンテーション能力の育成に重点を置いたカブトガニプロジェクトを作成する。
自作カブトガニ教材の開発と児童による評価
 学習展開の導入場面で提示する自作カブトガニ教材を数種類のソフトを使って開発し,それぞれが児童の興味・関心の高まりにどのような影響を及ぼすか,また児童がどのような学習の見通しをもてるかを調査する。
児童が使用する表現型ソフトの評価
 プロジェクト学習の表現・発表・交流場面で児童が使用できる数種類のソフトを教師が試用し,その操作性や学習の発展性について評価する。

図1 研究の流れ
W 研究の実際
 
マルチメディアプロジェクトの単元構想
総合的な学習の時間における実践を想定して,図2のような単元構想図を作成した。

図2 単元構想図
   鈴木(参考文献1))は,「総合的な学習の時間では,主体的な課題追究活動が求められており,学習課題を設定し,解決に必要な情報を収集したり共有したりしながら進行し,最後に必ず成果を出すプロジェクト学習が適している。」と,その有効性を指摘している。また,田中(参考文献2))は,「総合的な学習の時間では『何でも知っている』子どもではなく『いろいろなことができる』子どもを育てることをねらいとしているために,多様な実践技能を育てることが大切である。コンピュータは,子どもたちの主体的な学びの道具として位置付けられる。」と述べ,コンピュータ等のマルチメディアを活用したプロジェクト学習「マルチメディアプロジェクト」の意義に言及している。
 従来の教科等を中心にした問題解決的な学習過程を生かしながら,マルチメディアプロジェクトによる学習を実践することによって,児童にメディアの特性を理解し有効に活用する能力(メディアリテラシー)や自分の伝えたいことを相手に分かるまで工夫しながら伝える能力(プレゼンテーション能力)を育成する手だてとなるのではないかと考えている。

「自作カブトガニ教材」の開発
(1) 教材設計
@ 使用する素材の選定
   マルチメディア教材のよさを生かすために,本教材で使用する素材は,実際にビデオカメラ等で撮影した映像から作成した動画や静止画が中心である。また,その選定は,本校で実践してきた学習の中で,児童が興味・関心を抱いて追究してきた学習内容に基づいて行った。
   一見して様子や内容がとらえられるようなシーンについては静止画を,またカブトガニの動きや携わる人のインタビュー等,静止画ではその様子が伝えきれないシーンについては動画を活用した。
A 動画・静止画への変換
 ビデオテープの映像からマルチメディア教材で活用できる動画・静止画の形式に変換する作業は, 以下のシステムで行った。
 
コンピュータの主な仕様
・OS…Windows98 ・CPU…PentiumV450MHz ・メモリ…256MB ・HDD…10.3GB ・ビデオキャプチャボード…Canopus DVRaptor
・グラフィックボード…Canopus Spectra5400 ・ビデオ編集ソフト…Ulead Mediastudio Pro

 開発するソフトの仕様によっても異なるが,最も画質がよく,一般的なWindows機であればどの環境でも再生できるAVI形式で,一度コンピュータへ取り込む作業を行った。その後,ビデオ編集ソフト等を使って開発するソフトに合わせたファイル形式(MOVやMPG)に変換したり,画像サイズを変更したりする作業を行った。
B 教材の特徴
 本教材は,児童が
 
A: 学習計画の段階で,マルチメディアのよさを感じながらマルチメディアプロジェクトを進めていく見通しをもつ。
B: 探究活動の初期段階で資料として活用する。
という二つの活用場面を想定して設計した。しかし,両場面の活用形態や目的は異なっているので,どちらの用途にも対応できる教材を開発することが必要と考えた。
 そこで,教材のスタート画面でA「初めての学習モード」,B「調べ学習モード」の2種類のメニューを選べるように構成した。Aのモードでは,その画像がどんなメディアを使って作られたか,写した人はどのような思いでその画像を撮影したか等の説明を文字や音声で表示するように設計した。Bのモードでは,ある程度の情報収集に対応できるように,カブトガニの特徴や保護活動の様子等を説明的に表現した。
 また,ビデオ教材には無い特色をもたせたり,児童の思い思いの活動を保障したりするために,どの画面からでも終了できたり別メニューへ移れたりするようなボタンを配置した(図3)。

図3 教材の設計イメージ

(2) 教材開発用ソフトの試用
   現在市販されているものの中から,「自作カブトガニ教材」の開発に活用するためのソフトを5種類入手し,教材を作成した(図4)。
 なお,今回の研究では,Webページ編集ソフトは活用しなかった。HTMLファイルは比較的手軽に編集できる上,どのWindowsコンピュータからも見ることができたり,Web上へそのまま発信できたりする利点があり,最近マルチメディア教材開発では盛んに活用されている。しかし,教材内のデータを簡単に他へ流用したり改ざんしたりすることができるという問題点もある。CD−ROM教材を作成する今回の研究では,あえてHTML形式ではない教材を作成することにした。
@
A
B
C
D
<開発に使ったソフト名>
@マルチブック
Aわくわくまるちらんど
Bスクールクリエーター2
Cキューブプロジェクタ2 for Win
Dディレクター7

※いずれも教材のトップページを抜粋
図4 五つのソフトで作った教材の画面(一部)

   表1に示したように,ソフトそれぞれに特色があり,動画や静止画を中心にした画面が構成できることが分かった。しかし,ソフトによっては画面内にはり込むことができる画像のファイル形式や数に制約があったり,活用できる表現効果が単調であったりした。児童が使用することを前提に開発されているソフトには,機能面での課題も多い。
 こうした中で,画面上のレイアウトや表示効果,効果音や動画の活用等,表現方法のバリエーションに優位性があったのは,マクロメディア「ディレクター7」(以下「ディレクター」と言う。)であった(図5)。画面を構成するオブジェクトに数的,機能的な制約が少なく,また表示する効果・タイミング等をスコア画面で簡単に編集でき,修正も容易にできる。さらに,ソフト内である程度の描画や画像処理も施せるので,作業が効率的に行える。
 さらに,副次的な機能であるが,作成した教材を簡単にHTMLで利用できる形式(Javaアプレット)に変換することもできる。本来,プログラミング言語を活用しなければ作成することができないような動画をふんだんに取り入れたWebページも構築できる。
 児童が5種類の教材を試用したところ,最も強い興味・関心を抱いたのは,より動的でリズミカルに表現された,ディレクターで作成した教材であった。

図5 ディレクター7の操作画面(一部)

表1 5種類のソフトの主な特徴
ソフト名(製造元)
マルチブック
(ベネッセ)
わくわくまるちらんど
(ファースト)
スクールクリエータ2
(報映産業)
キューブプロジェクタ2 for Win
(スズキ教育ソフト)
ディレクター7
(マクロメディア)
静止画ファイル BMP,JPG BMP,GIF,JPG BMP,GIF,JPG,PICT,TIFF BMP,GIF,JPG,QGX,QGR BMP,GIF,JPG,LRG(xRes),Photoshop3.0(以降),MacPaint,PNG,TIFF,PICT,Targa,Photo CD,PCX,WMF,PostScript,FLC,FLI
動画ファイル MOV MPG,AVI,MOV MPG,AVI AVI,MOV AVI,MOV,(以下アニメーション)Flashムービー,アニメーションGIF,PowerPointプレゼンテーション,Directorムービー,Directorの外部キャストファイル
音声ファイル WAV WAV,MID WAV WAV,MID,RMI AIFF,WAV,MPEG3,Shockwave Audio,Sun AV,uncompressed and IMA compressed
ソフトの主な特長
コンピュータ操作初心者にとっても親しみやすい画面
ページのリンクを自由にはり付けることができる
作った作品を順番に閲覧することが可
スキャナ,ビデオキャプチャがソフト上から使用可
作ったペ−ジのリンクがドラッグ&ドロップでできる
アニメーション機能あり
ハイパ−リンク可
キューブペイント等の他ソフトで作った画面を操作画面で組み合わせながら編集可
アニメーション機能あり
オーサリングソフトとして専門家にも広く愛用されている
教材に高度な動的表現を盛り込むことができる機能をもつ
実行ファイルの作成
不可
配布無償の専用ビューワーをインストールすればどのコンピュータでも実行可
オプションを購入する必要あり。作品再生専用ソフトといっしょにデ−タ配布可
配布無償の実行専用ファイルを使えば,どのコンピュータでも実行可
HTML保存
不可
Javaアプレットで内部処理することでHTMLファイル上に動画を完全に再現
要オプション購入
動画やアニメ−ションは初めの1コマが静止画として表現される
一部の動画,音声,アニメーションを除き,リンクを再現しながらの変換保存が可
CD-ROM教材で作成した動的な表現を,ShockwaveムービーやJavaに変換することで完全に再現。
単体価格 9,700円 9,800円 18,000円 20,000円 128,000円

   児童の感想には次のようなものが見られた。
 
いろんな音や音楽が聞こえてきて楽しい。
他のものよりも画面の動きがおもしろい。
ボタンを押して次の画面を見るとき,何が出てくるのかとワクワクした。

3 自作カブトガニ教材を活用した児童の意識

写真1 自作カブトガニ教材を試用する児童
 前述したような児童の反応から,ディレクターで開発した自作カブトガニ教材が最も目的に合う教材であると考えた。そこで,この教材を利用した児童がどのような内容に興味・関心を抱くか,また,プロジェクト学習の導入時にどのようなテーマをもちどのような学習の見通しを立てるか,ということを調べるために,児童の試用を更に実施した。
 「初めての学習モード」を試用した際の児童の感想は,次のようなものであった。
ビデオで撮ったものがコンピュータに入ることを初めて知った。やってみたい。
ビデオカメラで撮るときに三脚を使うと,とても見やすい画面になることが分かった。
撮りたい物にぐっと近付いて写すと,分かりやすい写真になることが分かった。
インタビューしたことをテープレコーダーへ録音すれば,とても便利だと思った。

 マルチメディアを活用することの面白さや活用する際に心掛けること等,「初めての学習モード」を設計した意図が十分に伝わっているように感じた。また,自分たちにもできそうだという活用の見通しや意欲も表れていた。

 さらに,「調べ学習モード」を試用した後に質問をしたところ,次のような回答が得られた。 
さらにどんなことを調べたいと思いましたか。
 
カブトガニのからだのひみつ
カブトガニの生活
なぜカブトガニは少なくなってきたのか
だれがどのような保護活動をしているか
カブトガニ博物館のこと
どのようなメディアを使って取材したりまとめたりしたいですか。(理由)
 
ビデオカメラで写した映像をコンピュータでまとめて発表したい。(やったことがないので面白そう。CDを作ってみんなに見てもらいたい。)
デジタルカメラ(手軽に撮れるし,コンピュータで資料を作るのが簡単だから。)
テープレコーダー(インタビューの内容が全部録音できるし,後でまとめるときに楽だから。)

 児童は,自作カブトガニ教材を活用することによってカブトガニに関する様々な側面へ目を向け,探究するテーマを設定できると考える。また,多様なメディアやメディアのよさへ目を向け,マルチメディアプロジェクトの進め方に見通しをもつこともできると感じた。
 教材の活用場面を想定して2種類の学習モードを作ったことは,一定の成果を収めたのではないかと考える。

4 児童が活用する表現型ソフトの評価
 今回の研究では,実際に児童が表現型ソフトを使って活動する場面の検証を行うことはできなかったが,児童が活用するという視点に立って,試用した各ソフトについての評価を行ってみた(表2)。
 これらは限られたソフトに対する評価であるが,教師が児童の立場に立って基準をもち,ソフトを試用することによって,実際の学習場面でも児童の表現活動を適切に支援できるのではないかと考える。

表2 各表現型ソフトの特長と要改善点
ソフト名
主 な 特 長
特に改善が望まれる点
マルチブック
(ベネッセ)
コンピュータ操作に慣れない児童にも親しみやすい画面
文字,動画,静止画がはり付けられる
別ページへのリンクが自由にできる
他ソフトの操作が同時にできない
慣れるまで操作方法がとらえにくい
わくわくまるちらんど
(ファースト)
操作画面にガイド(方眼)が付いており,レイアウトが容易
文字,動画,静止画が自由なレイアウトで複数枚はり付けられる
HTMLファイルへの変換が容易で,動画等もほぼ完全に復元できる
透過GIFの画像が有効にならない
スクールクリエーター2
(報映産業)
操作画面が美しい
アイコンではなく,全てボタンは文字になっているので,初めてでも操作が容易
文字,動画,静止画が自由なレイアウトで複数枚はり付けられる
別ページへのリンクがドラッグ&ドロップの操作で自由にできる
右クリックの操作ができる
画面内のオブジェクトの上下関係を付ける操作が分かりにくい
キューブプロジェクタ2for Win
(スズキ教育ソフト)
キューブペイント等の他ソフトで作った画面を,操作画面で組み合わせながら容易に編集できる
文字,動画,静止画が自由なレイアウトではり付けられる
HTMLファイルへの変換が容易にできる
別ページへのリンクが自由にできる
動画を各画面につき1枚しかはり付けることができない

X まとめ
 
児童が活用するマルチメディア教材について
 プロジェクト学習の中で活用するマルチメディア教材は,児童が教材に興味・関心をもてるもの,マルチメディアのよさを感じながらメディアを活用して学習を進める見通しをもてるもの等が有効である。
 教材のスタート画面で,「初めての学習モード」「調べ学習モード」が選択できるように設計したことは効果的であった。前者はメディアを活用する見通しをもつために,後者はテーマを決めたり探究活動の資料となったりするために活用できる。使用目的を明確にした教材の活用が重要であると考える。
 なお,マルチメディア教材を開発するソフトは,表現効果の機能を豊富に備えたものほど学習効果を高める教材作成に有効である。また,HTMLファイルに変換する機能を備えているものも有効である。
 児童向けの表現型ソフトは,教師にとっても操作が容易であり,手軽に教材開発をするためには有用である。反面,表現効果には制約があり,いわゆる見栄えのする教材を開発するためにはディレクター等の専用オーサリングソフトが必要となってくる。
 今回の研究で問題点として最も感じたことは,動画のファイル形式についてであった。多くのソフトで使用できるAVI形式は,ファイル容量が大きいため教材内で活用できる数が限られる。反面,他の圧縮形式の動画は,使用できるものとできないものとがソフトによって異なっている。また,Windowsが動作する環境では最も一般的な圧縮形式(MPG)のファイルを,使用できないソフトが意外に多いことも問題である。さらに,MOV形式の場合,ドライバのバージョンが古いコンピュータでは再生できないこともあり,汎用性に欠ける。
 今後,こうした問題が解消され,汎用性の高い標準形式の動画フォーマットが確立されることを望む。
児童が活用する表現型ソフトについて
 プロジェクト学習の表現・発表・交流場面で児童が活用する表現型ソフトは,調べたことをまとめた画面がそのままプレゼンテーションに活用できたり,インターネット上へ発信するためのHTMLファイルに変換できたりするもの等が有効である。
 児童の学習意欲を支えるやりがいや目的意識は,人に伝える活動を通して増幅され明確になる。そうした意味でも,このようなタイプのソフトは学習を展開する上で必要であり,児童一人一人の達成感や成就感の醸成に寄与できると考える。

Y おわりに
   今回の研究では,マルチメディア教材の開発と評価,児童が活用する表現型ソフトの評価を中心に行った。しかし,学校におけるコンピュータ環境の整備やソフトの全般的な性能の向上等が進むにつれて,こうした研究の意義は次第に薄められていくものと考える。
 情報教育本来の目的は,情報機器の活用法の充実にあるのではなく,将来にわたって生きて働く情報活用能力を児童自身の中に育てることにある。教師がコンピュータの活用方法の模索にとらわれ,教育の本質を見失うような状況に陥れば,情報機器を取り入れた活動の教育的な意義は失われてしまう。
 そうした意味からも,今後は児童の学びや育ちの目標を明確にした総合的な学習の時間の実践に重点を置きたい。そして,本研究で明らかになった成果を基礎として,コンピュータ等の情報機器を有効に活用したマルチメディアプロジェクトの充実を図っていきたい。


○主な参考文献
1)鈴木敏恵(1999):第25回全日本教育工学研究協議会全国大会研究発表論文集 89-92
2)田中博之(1997):NEW教育とコンピュータ12月号(学習研究社) 33-35